Sunday, June 25, 2006

BigFatCat and the Snow of the Century 31 p.37

勝瀬大佑訳
30分後、エドはニューモールに着いて、入口の近くの公衆電話にまっすぐに向かいました。彼はポスターにエヴァービルヘルスセンターの電話番号を見つけると、電話をかけました。10回のベルのあと、やっと男性の声が聞こえました。その男性は、疲れていて、話すのに気が進まないようでした。エドは急いで起こったことを説明しました。
「そうです。大きくて、黒くて、意地悪な… いつもゴーストアベニューの周りを歩いてるんです。そうです。そうです。それは私の猫なんです。」エドは興奮して電話に向かってさけびました。「彼をつかまえたんですか。」
通り過ぎる客みんなが、あやしい顔付きで、エドを見つめていました。エドは少し声を低くしました。
「そうです… ゴーストアベニューの近くの… そうです。… それで、あなたは4区画も彼を追いかけたんですか。」エドは電話に叫びました。数人の中年の女性が彼を指さすと、彼はまた声を低くしました。「でも、…でも彼は逃げたんですか。」
半分安心して、半分がっかりして、エドは深いため息をつきました。相手の男性は激怒しているようでした。
「そう…そうです(はい…はい分かりました)。猫があなたの上着や新しいズボンをひっかいたのなら、本当に申し分けない。もちろん、ベルトの代金もよろこんでお支払いします。だから、最後に彼を見た場所を教えていただけないでしょうか。もしもし、もしもし。電話を切らないで。」

BigFatCat and the Snow of the Century 30 p.36

勝瀬大佑訳
「エド」ビージーズはエドを追いかけてさけびましたが、ジョージが彼とぶつかって、2人共、倒れてしまいました。やっと2人が立ち上がったときには、エドはすでに雪の中に姿を消していました。
ジョージとビージーズは映画館の表のドアのところに立って、どうすることもできずに、ふぶきを見ていました。雪はもはや通りのロマンチックな飾りではありませんでした。それは今では危険な敵でした。
彼らの後ろで、フランクのラジオが単調で感情のない口調で気象情報を放送していました。
「風速はもう時速40マイルに達し、外を歩くのは危険です。」

Saturday, June 17, 2006

BigFatCat and the Snow of the Century 29 p.35

勝瀬大佑訳
エドはその言葉を聞くと、顔が厳しくなりました。
「それがおかしいのは分かっている。でも、でもたぶん、たぶん猫は君が自分を連れていくことはできなかったんだと分かっていたんだ。彼は君にモールに店を持ってもらいたいから、たぶん出ていったんだ。」
エドは腕を下げました。ビージーズは手を離(放)しました。エドは何も言わずに、よろめいて後ずさりしました。
彼は猫のことを忘れていました。
彼はとても身勝手だったので、猫のことは完全に忘れていました。
彼はロビーを見回して、みんなの心配した顔を見ました。そして、目を閉じました。
「ちくしょう」エドはチケット売り場の残骸を強くたたきました。
「どうしよう。どうすればいいんだ。」エドはさけびました。
エドは(自分自身に)怒って、ポケットに手を入れて、ニューモールの契約書をとり出しました。そしてそれを、破って切れ端にしてしまいました。彼は床にその切れ端をばらまきました。
「ごめん」エドは言いました。
そしてだれよりも早く動いて、両手でジョージを押しとばして、ドアを走り抜けていきました。

BigFatCat and the Snow of the Century 28 p.34

勝瀬大佑訳
「外」フランクはほほえんで答えました。「いい人がくれたんだ。」
「今日かい」エドはまた尋ねました。
「うんうん」フランクはうれしそうにポスターを指さしました。「猫」
ビージーズとジョージはエドのそばに来て、ポスターを見ました。彼らは息を止めました。
「なんてことだ…」エドはささやきました。
エドはポスターをつかみました。彼は最初の2行を読むとすぐにドアの方へ向かいました。ジョージとビージーズはエドの後を走っていき、彼が外へ出ようとすると彼を抑えました。
「行かせてくれ。行かなくちゃいけないんだ。彼は私の猫なんだ。」
「エド」ビージーズは彼の襟をつかんで、必死な口調で言いました。外の天気は本当に危険でした。ビージーズは彼を止めなければいけないと分かっていました。彼はエドの顔に向かって叫びました。「エド」
エドは暴れるのをやめました。彼の顔は恐怖で凍ついていました。
ビージーズはできるだけ落ち着いて言いました。「エド。聞いてくれ。あの猫をだれかが捕まえられると、本当に思っているのか。私は、たぶん猫は分かっていたと思うんだ。」

Saturday, June 10, 2006

BigFatCat and the Snow of the Century 27 p.33

勝瀬大佑訳
エドは映画館の中で唯一動いている時計を確かめました。
「最後のバスがあと5分で来るんだ。いかなくちゃ」
ジョージとパディーは見つめ合い、そしてエドの腕をつかみました。なのでエドは、走り出すことができませんでした。
「エド。ちょっと待て。」ビージーズは言いました。
「私は猫を見つけなくちゃいけないんだ。こんな天気じゃ、彼は凍え死んでしまう。」
「その前にお前が凍え死んでしまうぞ。」ビージーズは叫びました。「モール行きの最終のバスに乗ったら、どうやって戻ってくるんだ。この天気じゃ、絶対に歩けないぞ。」
エドは聞いていませんでした。パディはエドがドアの方へ走っていくと思い、彼をもっと強くつかみました。でも、エドは他の何かを見つめていました。
「フランク」エドはまばたきをしながら言いました。
「フランク?」ビージーズは困ったような表情で尋ねました。
彼らはみんなフランクを見るエドの目を追いました。フランクはまだ手に持っているポスターに向かって自分が作った猫の歌を歌っていました。エドはジョージとパディーの腕をほどいてフランクの方へ歩いていきました。
「フランク」エドはフランクが持っているポスターに手を伸ばし始めていました。「これをどこで手に入れたんだ。」


相原寛彰訳

Friday, June 09, 2006

BigFatCat and the Snow of the Century 26 p.32

勝瀬大佑訳
「嵐はもうスパイグラス地区に入り、激しい雪が空から降っています。その嵐は、暴風雪に発達するでしょう。」
エド、ビージーズ、ジョージ、パディがロビーに集っていると、ラジオから臨時の天気予報が流れてきました。みんな、頭から足まで雪におおわれていました。彼らは、希望をなくしてお互いに目を合わせました。
「ビージーズ?」エドは尋ねました。
「だめだ。どこにもいない。」ビージーズは答えました。「ジョージ、ゴミ置場の周りは見た?」
「うん。もう雪におおわれているよ。足跡はなかったよ。」
重い沈黙がロビーを満たしました。フランクだけが状況を分かっていないようで、自分が作った猫の歌を歌い続けていました。
「モールだ。」エドは言いました。「たぶん彼は私のあとをついてきたんだ。」


相原寛彰訳

Tuesday, June 06, 2006

BigFatCat and the Snow of the Century 25 p.31

勝瀬大佑訳
「おかあちゃん。雪の中で歩いている子猫がいるわ。」女の子は、家の車の後ろの席からお母さんに言いました。
「何を言っているの、ジェーン。」彼女のお母さんは前の助手席から尋ねました。「雪の中で歩いている子猫を見たの」女の子はくり返しました。
「ふざけちゃだめよ。ジェーン。雪がどれだけ積もっているか見てみなさい。」
「でも見たんだもん。とても大きな子猫だったの。」
「それはたぶん、ただの消火栓か何かよ。この天気じゃ、猫も凍って死んでしまうわ。」
女の子はもう一度外を見ました。彼女はお母さんが正しいと分かっていました。でも彼女は大きな太った猫が道を歩いているのを確かに見たことも分かっていました。彼女は、猫がふり返ったときに、猫の目を見ました。
「ただ子猫がだいじょうぶだといいわ。」彼女はささやきました。
高いけたたましいさけび声で、風だけが答えました。


相原寛彰訳

Thursday, June 01, 2006

BigFatCat and the Snow of the Century 24 p.30

勝瀬大佑訳
エドは再びキャンプファイアーの暖かさを感じました。彼はここがなんと暖かいのか、ほんの少しでも忘れていたことを恥ずかしく思いました。ジョージのシチュのやさしい味。キャンプファイアーのちらつき。フランクのおもしろい歌。そして、映画館の中で、ゆっくりと、ほとんど止まっているような時間の感覚。彼が必要としていたすべてのものがここにありました。彼はシチューを飲み終えると、頭を振りました。彼は何を考えていたのでしょう。彼は注意深くなければいけませんでした。彼は本当に熱心に考えなければなりませんでした。なぜならそれは…。
エドは驚いて突然立ち上がりました。彼の顔は、とても真剣になりました。彼はもう一度映画館を見回しました。何も見つからなかったので、彼はロビーの方へ進み出しました。「エド。どうしたんだ。」エドはジョージの質問を無視して、ロビーへかけこみました。彼はほんお少ししてから、前よりもかなり青ざめた顔で戻ってきました。「ジョージ」エドは言いました。「猫はどこだ。」

BigFatCat and the Snow of the Century 23 p.29

勝瀬大佑訳
愛する人が死んだあと、そんなふうに思ったのは、エドにとっては、変でした。ふつうは、一定期間は悲しく思うものでした。少なくとも、エドのお母さんがなくなったとき、エドは数年間悲しんでいました。でも、彼はここでの受け止め方のほうが好きでした。なぜか、その方がとても自然でした。いくつかのものは、私たちは変えることができない。エドは壁のそばにウィリーのベビーカーだけが置いてあるのに目をやって、シチューをすすりました。それはおそらく長い時がくる間、そこにあるのでしょう。エドはウィリーを音のない救急車へ運んで運転手に尋ねました。その運転手は答えました。「わかりません」それは悲しみに満ちていました。でも時間の感覚がかなりあいまいな町で、そこの住民と座っていると、初めほど悲しくは感じませんでした。それでいいのです。

BigFatCat and the Snow of the Century 22 p.28

勝瀬大佑訳
「キャット、キャット、キャット。ファット、ファット、ファット」フランクは、自分の言葉で歌いました。彼はどこが(どこかで)見つけたポスターに向かって歌っていました。
「ちょうどいいときに屋根を直したね。」エドはジョージに言いました。彼は上から雪が降っていないことに気づきました。いくつかの大きな木の板がある種のプラスチックのシートにおおわれた屋根に置かれていました。
「そうだろ、パディーが手伝ってくれたんだ。」ジョージは誇らしげに答えて、パディーと手のひらを合わせました。
「キャット、ファット、ファット、ビッグ、ファット、キャット。」
エドはフランクの歌を聞くと、自然にほほえみました。ここはそんな平和なところでした。彼はウィリーがなくなったのが、つい一日前のことだとは信じられませんでした。エドは、彼らみんなはまだ悲しんでいるが、いつもの生活をただ続けているように見えるだけだと知っていました。彼らはみんな泣いて、さよならを言いました。そして、今は、彼らみんなが、変わるときだと知っているようでした。


相原寛彰訳
「キャット、キャット、キャット。ファット、ファット、ファット」 フランクは、自分で歌詞を付けて歌っていました。彼は、どこかで見つけたポスターに歌っていました。
「ちょうどうまい具合に屋根が修理できたね」エドはジョージに言いました。彼は上から雪が落ちてこないことに気づいていました。数枚の幅の広い木の厚板を屋根に渡しかけ、ある種のプラスチックのシートをかぶせてありました。
「そうだろ。パディが手伝ってくれたんだ。」ジョージは誇らしく答え、パディと手のひらを合わせ合いました。
「キャット、ファット、ファット、ビッグ・ファット・キャット」
エドは、フランクの歌を聞くと自然と微笑みが浮かびました。ここはこれほど平和なのです。ウィリーが逝ったのがほんの一日前だとは信じられませんでした。エドは、彼らはみんなまだ悲しいことを知っていましたが、みんないつもの生活をただ続けているように思えました。彼らはみな声を上げて泣き、みんなお別れを言い、そして今、気持を切替え先に進むべきときだと知っているように思えました。